おぼしつつみ 01-129

2021-01-11

「慎(つつ)み」と考え警戒すると解釈されているが、感情を押し殺す意味。「ゆゆしう」で止め、後につづく表現を押し殺して口にしなかったことを受ける。はっきり口にしたら、母后の身にも害が及ぶと判断したのである。それほどに弘徽殿の女御の権力は強く、各所にスパイを置いていたのであろう。


母后 あな恐ろしや 春宮の女御のいとさがなくて 桐壺の更衣のあらはにはかなくもてなされにし例もゆゆしうと思しつつみて すがすがしうも思し立たざりけるほどに 后も亡せたまひぬ

母后は、まあ恐ろしい、東宮の母はとても性悪で桐壺の更衣があんなにはっきりとあっけない最期を迎えるはめになった例も忌まわしいのにと、口をつぐみ前向きに事をお進めにならないうちに、后も亡くなってしまわれた。

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