あやにくに 02-004

2021-01-13

期待に反するときに用いる。あいにくながら。好き好きしさを好まぬ本性なのに、時々心もすり切らせるような恋愛に没頭することが、あやにくである。


忍ぶの乱れやと 疑ひきこゆることもありしかど さしもあだめき目馴れたるうちつけの好き好きしさなどは 好ましからぬ御本性にて まれには あながちに引き違へ心尽くしなることを 御心に思しとどむる癖なむあやにくにて さるまじき御振る舞ひもうち混じりける

人目を忍んで通う女がどこぞにおいでかと大臣家では疑い申し上げることもあったけれど、そのような実のない世間でいくらも目にする軽はずみな色事などはお好みにならないご気性であって、稀には、強いてご気性に反して心を磨り減らす恋を御心に思いつづけるご性癖があいにくおありで、あってはならぬお振る舞いもついうち混じるのだった。

ヴァリエーション:
あやにくに

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